【Dr.Izzy Report】猛獣解剖記録大失敗譚

…ー、からシュレーディンガー


…クルセイダー、からシュレーディンガー


ヘッダー、パンドラ、クルセイダー、からシュレーディンガー



博士!起きてください。
そう、私?って、とぼけないでくださいよ?
今の状況分かっていますか?

ええ、ええ、私達は閉じ込められているんですよ!
先程から流れているあの…まじないのような歌で
頭がどうにかなってしまいそうです!
ヘッダー、パンドラ、クルセイダー、からシュレーディンガー
博士、「あれ」を知っているんですか?

BUSTER DICE MISERY…あれが、そうなんですね。


それは、猛獣指定されている危険なターゲットで、でも全貌は明らかになっていない、そうですよね。
そう…音媒体だったのですか。
今までのBUSTER DICE MISERYの調査書は私のところに届いたばかりで、今手元に全てあります…はい、ここの脱出方法を探すべく、この調査書からBUSTER DICE MISERYの正体の考察をせよと。

わかりました。では私と一緒に考察してまいりましょう。


こちらはナツさんによる【Dr.Izzy Report】の企画です。トレイラーはこちらから。

まとめ記事はこちらです(7/16 追記)



 BUSTER DICE MISERY [バスター.ダイス.ミザリー]
混沌的事象。UNISON SQUARE [編集済]の曲とされているが、未だ詳らかならず。それは曲名であるとともに、研究者たちに長らくDr.Izzyの解剖を困難にさせた根源の名前。


まず、今までBUSTER DICE MISERYは謎のヴェールに隠されてきました。定義もはっきりしていない。しかし、それが「大好き」という者も大勢見てきました。諸説ありますが、ここに記されているロックバンド、UNISON SQUARE GARDENのアルバム「Dr.Izzy」の曲というのが最も有力説のようです。(だから私はこの度Dr.Izzy研究員に抜擢されたのですか…) しかし、私は正体がそれだけではないと考えます。
BUSTER DICE MISERYを媒介にして何か訴えることが目的なのではないか、あるいは事象そのものを示しているのではないかと、そう思うのです。
こちらが危険を覚悟で先輩が解剖した際の記録です。


【以下BUSTER DICE MISERYの解剖記録】

 0:00 現代への警鐘を鳴らす轟音かあるいは
破壊・攻撃(BUSTER)音ともとれる。
強い意志を持ってして放たれた、ある程度秩序のある
シュプレヒコールにも似ている。

0:11 静かなる一声で轟音が止む
0:13 多種の音がまとまる



何かをなすために徒党を組んでいるようにも思えますが、どのような集団なのでしょうか。もう少し様子を見てみましょう。

 0:24 解析により音声は3█歳の日本人男性によるものと判明。
彼はUNISON SQUARE [編集済]の3人のうちの1人とみられる。
バックはスカのリズムで、チャキチャキ、とスイッチの切り替わるような歯切れの良い音が心地よくなっている。
以下、歌を記述する。

破竹無敵のチャンプだって 一度の汚職でチャラになるらしい
常世の業はげにげに深い ラルラルラ 冗談が上手くなる

手術台に乗せられるので どこを晒してどこを隠すのか
頭キラせて骨断つのは ラルラルラ 骨が折れまする


つまり処世術のようなものに縛られる、ということを示しているのではないでしょうか。汚職はもちろん無いに限りますが、スポットライトに眩しく照らされている人ほど、一般人では普通叩かれないような些細なことでも、厳しく焼き付けるように批判されます。

手術台というのは、人の目がよく集中する場所で、今にも不祥事を暴かれる人やネットの掲示板のことだろうと思います。今からメスなどで暴いていく訳です。その人はこれから炎上するかもしれない。人の厳しい目を避けながらどこまで晒してOKでどこまで隠すべきなのか…
注目されるというのは本当に骨が折れるでしょう。

同じ「Dr.Izzy」から「エアリアルエイリアン」が参考になると書いてあります(*1)。

報道陣達が群がれば 危険信号のphase
興味本位、多数論理、晒す奇異の目
少々重たいんだな もうずっと頭もたげるばかりさ

そうやって精神を張り巡らせていたら
だんだん目が回ってきました。そこで、

 0:46 BUSTER DICE MISERYを象徴するフレーズ(i) 

が登場します。
遅れとっちゃったのは、尻尾を隠せなかった人のことなのでしょうか。いわゆるインターネット用語「メシウマ」の材料にされてしまいそうです。

BUSTER DICEを転がして 行く末は塵花火?
オブジェクションは声にならない なんてあんまりな罰


"BUSTER DICE"の正体は断言できませんが、直訳で
"壊す人のサイコロ"とすれば、博士も、もう分かってきたような気がしませんか? そう、批判してる側の人間のことなのでしょう。そして暴かれる側は抵抗をしたようですが、努力虚しく駄目だったようです…仕方ないとも言うのでしょうか。

 1:22 
絆コーデが幅利かせて 純粋の愛は辞書を失う
君の道化も求めてはいない ラルラルラ 気安く喋るな

私の解釈ですが、ここでは全体的に「偽装」のことを歌っていると思っています。晒すか隠すかならば、「隠す」
側です。塗りかためられた虚像なんて興味無いよ。という感じでしょうか。そして、気安く喋るなというのは口を開くなという意味だけではなく、「気安い」喋り方が気に入らないのでしょう。思ってもないことを言うな、あるいは喋る言葉には気をつけろという忠告?沢山の意味に取れます。そうすると道化というのも「尻尾を出す」ことに繋がりますね。


 2:05 今までとはうってかわり、渦を巻く様な不穏なギター

2:14

2:19 4
2:21 6
2:23 6
2:25 6.7.6.5.3.4.1.3.2.1.1
なお参考資料*2によると、このキメの数は変動する(変動する場合は拡張が多い)。以下、条件・背景の考察。
20█年8月10日 ██県█████市で演奏されたものでは特別なセッションからこの曲に突入した。
主にこの部分をアレンジしたもので、一切合図なしに3人が文字通り息を揃えてまさに「見せつけられているような」パフォーマンスを行った。
キメの間の空白が長ければ長いほど揃えるのがあまりに難しいようであり、
UNISON SQUARE [編集済] のファンのドラマーが口を揃えて言うことによると「最強(最凶)」、「害悪曲」というほど。


このとき、UNISON SQUARE GARDENのライブは日本最大のフェスにおけるメインのステージで開催されていました。今までは違うステージで行っていましたがこの年からメインに移行しました。
元々のUNISON SQUARE GARDENのファンだけでなくメインのステージは「○○とか聴いたことあるし行ってみようかな」という軽い感覚や興味で行く客、初見の客も大変多かったはずです。それがフェスの楽しさでもあるので、アーティスト側もそれを配慮していると思われます。配慮…していると思います。


調査員らで当時のライブを追体験した上で申し上げます。配慮は…されていたと思います。

___いいや、1番目にCheap Cheap Endrollです。されていません!
そしてフェスで与えられる短い持ち時間の中でBUSTER DICE MISERYのセッションが選ばれました。
言いたいことは解剖記録の通りですが、1番印象的に感じたのは「強者の風格」でした。
自分よりずっと高い所から___天から光がさした感覚です。物理的にもステージは高いところにありますが、もっと高尚なものを感じました。

そうですね…人もコンピュータも自分の理解の超える事象を観測すると、フリーズします。しかしながら自己修復できます。コンピュータはバグの原因を探しますが、人は異なります。どうやって自己修復するのか。フィーリングという漠然としたもので事象を「理解」するんです。
おそらくBUSTER DICE MISERYを初めて聴いた人も圧倒されたと思いますが、その次の瞬間には惹き込まれていたはずです。

あれ?それで思ったのですが、もしかして私たちってBUSTER DICE MISERYの思い通りに踊らされていませんか?
私たちはBUSTER DICE MISERYを解剖した気になっています。しかし、んー…「彼」と呼びましょうか。考察より、彼はあれほどに「露出」についての理解が深いといえますよね。であれば、自分が我々にしっぽを捕まえられるようなヘマはしない。つまり、彼が「隠し」ていると思ったことも、彼にとっては「晒す」うちに入る。本当の核心はまだ隠されたまま…


…って、なんですか博士!私を憐れむような目をして…!
何、結局解剖に失敗しているではないかって…?

うう、確かにお恥ずかしいことに私ならBUSTER DICE MISERYの正体を解き明かせるんじゃないかと思っていました。ですが…流石に猛獣指定。あまり深く掘り下げすぎるのも危険だと言った先輩たちの言葉も今なら分かります。


"どこを晒すか、どこを隠すか"



ああっもう!!!!してやられた!!!!!


って、部屋の鍵が空いてる…?
何これ、ドアに落書き?マタノチョウセンヲオマチシテオリマス?

まあいいです、とりあえず早くこの部屋出て他のDr.Izzy研究員の研究を手伝いに行きますよ!!!博士!!!!!
そしてまたここにリベンジに来ますから!!!!

Next study?▶︎▶︎


参考文献はこちらです。
ご清聴ありがとうございました。

*1)

論文▶︎

*2)